仕事の境界線

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2022.10.19

私は社会保険労務士なので、
法律やルールを伝えるのが仕事です。

レストランのお客様と話をしていた時です。
タイムカードをみると、なかなかの長時間労働です。

休憩時間は長めに設定しているのですが
実際に休めていますか?という
質問に対して、社長は「料理の試作をしたりして
自由に使っている」とお答えになりました。

料理の試作?それは仕事ではないのかな?

彼らにとって試作は「業務」ではなく
やりたくてやっていること。
自分のスキルを高めるための時間で
仕事という認識がないようです。

「この業界の人は仕事を仕事と思っていない、
働き方はこういうものだと思っている
人が多い」と
自身もシェフである社長は言います。

こういう人に「仕事と休憩を切り分けて」とか
「仕事が終わったら早く帰って」と言っても伝わりません。

いっぽうで社長が業務命令ではないと
思っているけれど
社員が「業務としてやらされている」
と思っていたら
そこからトラブルになります。

労働基準法は、労働時間を
時間で区切るのが原則です。

しかしこの社長のように
仕事と好きなことが切れ目なく
つながっている感覚を持っている人や

コロナ禍を機に広がった場所を問わない働き方では
仕事のために使った時間を測ることが難しい。

仕事の結果生み出されるものも多様になり
工場で製品を作るように時間に
比例しなくってきています。

仕事への考え方、働き方の多様化に既存の労働基準法は
ついていけていないことを感じます。

最近では時間でなく
「成果に応じて報酬を払う」
という考え方がありますが、
では成果はどう測るのか。

それに対する一つの答えが
会社の目的を達成するために
最適な行動ができているか?
なのではないかと思うのです。

形の見える製品の完成の代わりになる、
共通のゴール設定が必要なのだと思います。

(毎週水曜日更新)

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