Column
社労士仲間の勉強会で、
発達障害が疑われる社員への対応について
ディスカッションしました。
その時に初めて知ったのが
障害についての考え方
「医学モデル」と「社会モデル」
という言葉です。
医学モデルは、障害者には
正常な機能が欠損しているという考え方、
社会モデルは、障害者が生きづらいのは
社会に責任があるという考え方です。
例えば車いすユーザーが階段や段差のために
店に入れないとします。
医学モデルで考えると、
歩けないその人の脚の機能に問題があり
解決方法は機能の改善やトレーニングとなります。
一方、社会モデルで考えると、
階段や段差があることが障害であり
解決方法はスロープの設置となります。
国連の障害者権利条約では
社会モデルの考え方が反映されていて
日本の障害者基本法や障碍者差別解消法でも
「障害及び社会的障壁により継続的に
日常生活又は社会生活に相当な制限を
受ける状態にある者」と定義が改められたそうです。
社会モデルで解決方法を考えると
当事者以外にも利益がもたらされます。
例えば、車いすが通れるように改札の幅を広げると
ベビーカーなども通りやすくなるというようなことです。
同じようなことは障害者への対応に限りません。
障害のある人、病気の療養中の人
育児や介護をしている人、様々な制約がある人が
働きやすい環境を整えることは
制約がない人にとっても働きやすくなるでしょう。
ある社員が問題行動をとるというときにも
本当にその人だけに原因があるのか、
そのような行動をとらせている外部の原因はないのか
よく見る必要があります。
問題解決を、人を変える方向に向けるのでなく
その周りの設備や会社の仕組みに向ける考え方は
どんな場面でも大切なことだと思います。
(毎週水曜日更新)