Column
今日から2月。
寒い日が続いていますが、
梅の花も目にするようになりました。
先日社労士が開催する
労働時間管理についての研修を受講しました。
60時間以上の時間外労働に
50%の割増賃金を適用する法律は
この4月から適用が猶予されていた
中小企業にも適用されます。
その研修で、残業削減に関する
働き方改革施策の効果についての
回帰分析の結果を聴くことができました。
驚いたのは強制消灯・施錠をする、
長時間労働の者に注意を促す
という施策には良好な成果が少なく、
むしろサービス残業や持ち帰り残業が増える、
業務配分のむらが大きくなるといった
マイナスの成果が大きく表れていたことです。
強制消灯は、電通がかつて
残業削減のために行った施策で
テレビのニュースにもなっていた方法です。
一方で会議の無駄をなくす、ペーパーレス化する
などの一見「早く帰る」行動に関係ないことには
よい成果が強く表れていました。
私たちは、問題を見つけるとそこに直接打つ手を考え
目に見えやすい形で解決しようとします。
問題社員がいたら、指導を繰り返し、
その記録を残し、退職勧奨に進むといった
もめごとにならないように排除する方法を考えます。
しかしなぜその社員が問題行動を起こすのか
周りの対応は適切なのか、
上司の指導はどうか、職場の雰囲気はどうかには
あまり着目しません。
上司の指導が不適切だったのであれば
新たに人が入っても同じ問題が起こります。
ある社員が遅刻を繰り返していたが、
家庭の問題を抱えていてメンタルを病んでいた、
ということがありましたし
仕事ができないとされたいた社員が
実は発達障害だった例もあります。
目に見える問題に直接手を打つだけでなく
問題を引き起こすまでにどんなことが起こっているかに
着目し、そこに手を打つことが
根本的な解決につながるのです。
その残業はなぜ発生するのか。
残業を減らそうとするときには
残業を引き起こす周りの要素も
合わせて考えてみたいものです。