Column
前回の記事では
「資生堂ショック」を取り上げました。
短時間勤務と通常勤務が
混在する職場は、本当にうまく
いかないのでしょうか?
実はこの改革は、短時間勤務社員の
キャリアアップを目指すための
ものでもあったのです。
当時、シフトが回らないという課題とあわせて
時短勤務では繁忙期に経験を積むことができず
社員自身のステップアップにも
つながりにくいという課題もありました。
そこで、子どもを持つ美容部員の
さらなる活躍を目指して取り組んだのが
この制度改革だったのです。
その導入にあたっては
・制度改革の意図を、時間をかけて説明
「育児しながらも活躍して
キャリアアップしてほしい」
との会社側のメッセージをDVDで伝えた
・個別面談で育児環境などの詳細を
ヒアリングしてフォロー
・協力者がいない場合の、
ベビーシッター代補助などの施策も準備
が行われました。
その結果、約98%の美容部員が、
土日祝日、遅番勤務ありのシフトに
移行したそうです。
会社のメッセージをしっかり伝える、
個別に十分なフォローをする、
場合によっては経済的な補助もする。
マネジメントがいかに重要かと
いうことを、資生堂の例は
示していると思います。
さらに、短時間勤務の社員に対しても
管理職昇進の打診が行われました。
実際に管理職に昇進して復帰した
社員もいるそうです。
育児中であっても、昇進コースから
「降りる」必要はない。
これは育児をする社員にとって
大いにモチベーションにつながったことは
想像に難くありません。
ちなみに、資生堂ではロールモデルを
一つに定めてはいないとのこと。
昇進だけが唯一の解ではない、
様々な働き方を選んでもらいたい
との考えだそうです。
適切なマネジメントによって
分断をなくし、かつ生産性を上げることは
可能なのです。
(毎週水曜日更新)