短時間社員が増えると起こること:後編

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2021.03.17

前回の記事では
「資生堂ショック」を取り上げました。
短時間勤務と通常勤務が
混在する職場は、本当にうまく
いかないのでしょうか?

実はこの改革は、短時間勤務社員の
キャリアアップを目指すための
ものでもあったのです。

当時、シフトが回らないという課題とあわせて
時短勤務では繁忙期に経験を積むことができず
社員自身のステップアップにも
つながりにくいという課題もありました。

そこで、子どもを持つ美容部員の
さらなる活躍を目指して取り組んだのが
この制度改革だったのです。

その導入にあたっては


・制度改革の意図を、時間をかけて説明
「育児しながらも活躍して
キャリアアップしてほしい」
との会社側のメッセージをDVDで伝えた


・個別面談で育児環境などの詳細を
ヒアリングしてフォロー

・協力者がいない場合の、
ベビーシッター代補助などの施策も準備

が行われました。

その結果、約98%の美容部員が、
土日祝日、遅番勤務ありのシフトに
移行したそうです。

会社のメッセージをしっかり伝える、
個別に十分なフォローをする、
場合によっては経済的な補助もする。

マネジメントがいかに重要かと
いうことを、資生堂の例は
示していると思います。

さらに、短時間勤務の社員に対しても
管理職昇進の打診が行われました。
実際に管理職に昇進して復帰した
社員もいるそうです。

育児中であっても、昇進コースから
「降りる」必要はない。
これは育児をする社員にとって
大いにモチベーションにつながったことは
想像に難くありません。

ちなみに、資生堂ではロールモデルを
一つに定めてはいないとのこと。
昇進だけが唯一の解ではない、
様々な働き方を選んでもらいたい
との考えだそうです。

適切なマネジメントによって
分断をなくし、かつ生産性を上げることは
可能なのです。

(毎週水曜日更新)

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