Column
人生100年時代といわれるようになりました。
平均寿命が延び、年金の支給開始も
そのうち延びそうですし(苦笑)、
会社は70歳までの就業確保措置を
求められるようになりました。
私が子どものころ、
働き方のモデルといえば
新卒で一社に勤め上げて
60歳の定年後は悠々自適
というものでした。
ふと、私の父の職業遍歴を思い出しました。
父は工業高校を卒業して上京し、
小さなメーカーに勤めていました。
結婚後転職するも、倒産の憂き目にあい、
当時経理を担当していた父は
債権者からの電話が家にかかってくるため
こたつの中に電話を押し込んで
親子で母の実家に避難したこともあるそうです。
その後、建設会社の経理職につき
夜は簿記学校に通ってスキルを磨いていました。
ふだんから帰宅は遅かったのですが、
ときどき「今日お父さんは学校に行っているよ」
と母から言われたことをぼんやりと覚えています。
いくつか職場を変わりましたが、
父は76歳になった現在も、週4日出勤して
経理の仕事をしています。
昭和の働き方モデルとは
ちょっと違っていたけれど、
舞台を変えながら力をつけ、
息長く活躍し続ける、
まさに今求められる働き方をしてきました。
今、リスキリングとかリカレントとか
「学びなおし」がクローズアップされています。
また、会社の寿命よりも人の寿命のほうが
長くなったと言われています。
たとえ有名大企業であっても
「安泰」とはいえなくなりました。
そのような時代にあって、
会社にお任せでなく自律的に
自らのキャリアを考え、自分の売りを磨く
姿勢は不可欠でしょう。
父は私のロールモデルであり
働き方の目標になっています。
上司から「100歳まで働いてくださいよ」
と冗談めかして言われたそうですが、
ぜひ実現してほしいものです。
(毎週水曜日更新)