Column
ある会社で聞いた話です。
1人の女性が退職することになりました。
とても優秀でがんばりやで
社長も信頼を置いていました。
その彼女が昨秋に退職の意思を示したとき
社長は何とか引き留めようと
かなりの金額の賞与を支給し、
年末には表彰し、賞金の授与までしていました。
しかし、彼女の意思は変わらず、
残念ながら退職することとなりました。
彼女に理由を聞いてみると
「女性がこの会社で5年後に働く姿がイメージできない」
「社長に意見を聞いてもらえず、ついていけない」
と言うのだそうです。
社長は賞与を支給することで彼女を評価している
というメッセージを懸命に送っていたのですが
彼女の求めていたものはお金よりも
女性の働きやすさだったのです。
給与を上げれば社員は定着するわけではない
ということを目の当たりにして
衝撃を受けました。
評価制度は、社員の頑張りを測って
多くの会社では昇給や賞与などの金銭的報酬
を与えています。
ところが、残業続きが辛かったり
家庭や趣味にももう少し力を入れたかったりすると
いくら待遇を上げても心が離れていってしまうのです。
考え方、価値観の違いはあるのが当たり前です。
ではどうやって社員に貢献を続けてもらうのか。
この会社で何を実現したいのか、ビジョンを明らかにし
そのために必要なことは何か、丁寧に共有し
行動の過程において目をかけることだと私は考えます。
そこには相手への理解と
丁寧なコミュニケーションが必要なのだと
改めて思いました。
(毎週水曜日更新)